歯科矯正治療に伴う一般的なリスクや副作用について


  1. 最初は矯正装置による不快感、粘膜痛み等があります。数日〜1週間程度で慣れていきます。
  2. 歯が動く痛みを感じます。8〜10時間後に現れることが多く、2〜3日をピークに徐々に減少し、5〜7日程度で消失します。程度や期間は個人差が大きいです。
  3. 歯の動き方やその速度には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性もあります。
  4. 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、恒常的な通院の有無等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、治療結果や治療期間に影響します。
  5. 矯正治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。まずはご自身が丁寧に歯磨きを行うことが基本となります。さらに掛かりつけ医等による定期的な口腔内の清掃(PMTC)や歯磨き指導など、歯科医師や歯科衛生士による定期管理受けて頂く必要があります。
  6. 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。治療上の特別な理由がなくても、歯根吸収の発生しやすい素因のある方は吸収が生じる可能性があります。
  7. 歯肉が退縮することがあります。また、それに伴うブラックトライアングルが生じることがあります。特に叢生の強い成人の矯正治療で出現しやすいと言えます。
  8. ごく稀に歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。骨制癒着(アンキローシス)と呼ばれるもので、外傷の既往がある場合に起こりやすいものですが、原因不明の場合もあります。
  9. ごく稀に歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。外傷の既往がある場合に起こりやすいものですが、原因不明な場合も多いです。
  10. 治療途中に金属アレルギーの症状が出ることがあります。
  11. 矯正治療中にも顎関節で「雑音が鳴る、痛い、口が開けにくい・閉じにくい」などの顎関節症状が出る可能性があります。
  12. 適切な咬合関係の構築のため、歯の形態修正や、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
  13. 様々な問題により、当初予定した治療計画の見直しや変更をする可能性があります。
  14. 診断後、必要な場合には健全歯を抜歯して治療する可能性があります。
  15. 何らかの要因で矯正装置が破損したり、その矯正装置を誤飲したりする可能性があります。装置の破損の際には、速やかにご連絡下さい。
  16. 治療中にもエナメル質にエナメルクラックと呼ばれる微小な亀裂が入る可能性があります。これは食事や咬み締めなど様々な原因で日常生活においても起こるものです。ほとんどの場合は症状がなく治療の必要もありません。また同じく治療中にもかぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  17. 治療後、歯は元の位置に戻ろうとする傾向があり、これを後戻りと呼びます。そのため、保定装置(リテーナー)で後戻りを最小限に抑える必要があります。指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。また、定期的な経過観察をお受け頂けない場合には後戻りが生じる可能性が高くなります。
  18. 保定装置を使用しても顎の成長異常、歯周病、舌や口唇の癖、口呼吸、歯ぎしりなどにより後戻りが生じることがあります。
  19. 治療後に親知らずが生えることにより、叢生が生じる可能性があります。
  20. 加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯ならびが変化することがあります。
  21. 治療後には、現状のかぶせ物(補綴物)や詰め物(修復物)などの再制作が必要となる可能性があります。
  22. 上下顎関係の著しい不調和のある場合には外科的な手術を併用した矯正治療が必要となることがあります。その場合は口腔外科と連携した他の矯正歯科専門医院をご紹介します。
  23. 治療には限界があり、骨格の不調和や歯の大きさの問題から、顔のゆがみを治したり、完璧な咬み合わせを作る事ができない場合があります。また顎口腔機能に悪影響を及ぼすと判断された場合ご希望にそえないこともあります。
(日本矯正歯科学会ホームページより抜粋)










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